日本の公益法人(ISBN:4324070156) その2

公益法人に対する悪のイメージ

公益法人に対するイメージ(p.7)

  • 「不祥事」「背任まがいの行為」
    • 組織を「私」したり、放漫な経営をしたり、はてはお家騒動、使い込み(p.18)
    • 「善いこと」をするのが当たり前の組織だから、「悪いこと」の方にニュース価値がある、という側面はあるだろう。(p.18)
  • 公益法人の「売買」
    • 数パーセント未満、おそらく千法人には満たないと思われる。(p.11)
    • プロセスが公明正大ではなく、なにやら後ろめたい(p.12)
      • 正規の手続きによらない脱法行為、というニオイ(p.13)
  • 公益法人に「名を借りた」金儲け
    • 税金逃れ
      • こうした非難を受けてもしかたがないものは、おそらく一パーセントあるかないかだろう(p.11)
  • 天下り先」
    • お役所の外郭団体のようなものだ、というイメージ(p.13)
    • 三拍子そろったものに限っても、全公益法人の中で、団体数で三割、使っているおカネにすると五割を超えると言われる。(pp.13-4)
    • 位置エネルギー」が非常に強く、一旦出来てしまったものはなかなか消滅しない(p.15)
  • 一般の営利企業と何の変わりもない事業をしていながら、公益法人を名乗っているものがある。(p.15)
    • 一度出来てしまった公益法人は、めったなことでは許可を取り消されたり、解散を命じられたりすることがない(pp.15-6)
    • 株式会社にしたほうがよいと思っても、法律上の手続きが明確でないため、事実上どうしてよいか困ってしまって公益法人のままでいる(p.16)

上記イメージの引き金となる事実は、下記のとおり

  1. 公益法人に対する税制上の優遇措置
  2. 公益法人の行う関連事業などの収益活動
  3. 公益法人とお役所との関係
  4. 公益法人の経営と情報公開

それが極めて多くの公益法人について起こっているのならば、それは制度的な問題、つまり公益法人そのものの成り立ちやあり方に問題がある、ということだ。(pp.21-2)
これらの事実のうち、公益法人の成り立ちと不可分なものはどれか。(p.23)

公益法人の「悪」にひそむもの

公益法人になると、個々の問題というより、公益法人一般が「悪」だという論調になるのはなぜか。(p.58)

  • 一つの理由として、公益法人の存在価値や機能が一般に知られていないことによるのだろう。
  • それと同時に「そんな公益法人を野放しにしているオカミは何をしているんだ」という声のあることが重要
    • 公益法人は悪→オカミの監督を強化しよう、と考えてしまう所に別の問題がある、という論旨???