OVERCOMING ツール・ド・フランス 激闘の真実

ある意味、そこらのプログラマやSEより大変な、ツール・ド・フランスという一大プロジェクトにおける、チーム・マネジメントやリーダーシップの一例、という観点での映画ということで、非常に面白かったです。


普通にロードレース見てると、それこそ「我らワールド」を楽しみつつスプリント戦見ておしまい、という感じですが*1、編集されているとはいえ、リース監督を中心とした裏方の仕事が克明に描かれていました。


そもそも、選手以外の人間がそんなに居ることすら知りませんでした。例えば、マッサー5人、ボディセラピスト2人等。それがどんなに重要な仕事なのかも。
そのほか、普通のチームは、喧嘩になるから全体ミーティングなしっていうのも、この作品を見るまで知りませんでした。
CSCは雰囲気が違う、という言葉が随所に出てくるところから、CSCみたいなチームは少数派なのかもしれませんね。


しかし、そういう事をおいても『2004年のCSC』という素材自体が反則だとおもいます。
とにかく『逆境ナイン』なみにシャレにならない事態が勃発するし。

まず、とにかく落車が多い。バッソ1人を除いて、全員が故障してます。
特に1人で3回も落車したら、そりゃリース監督じゃなくても叫びますわな。
そして、偉大な策士、ランス・アームストロングバッソの共闘提携。
これなんかも、USPと協力体制をとってなかったら発生しなかったかもしれないし、少なくとも、バッソ母が癌でなかったら、絶対に出てこなかった話な訳で。


四面楚歌のUSPから協力要請されて、即座に承知するリース。
そのためにバッシングされるリース。
ストレスの中、無理して笑顔を保とうとするリース。
キャラが濃すぎて*2、選手に心を開いてもらえないリース。
バッソがステージ優勝した際に、子供のようにはしゃぐリース。
選手全員に、引退した後のことを考えさせるリース。


リーダーシップ論は、文学的観点からアプローチした方が良いのだろうか?それともゲーム理論的な観点からアプローチした方が良いのだろうか?

*1:力んで見ると身が持たないので

*2:と、某選手は語ってますが、ストレスでピリピリしていたせいもあるんでしょうか?