日本の公益法人(ISBN:4324070156) その1

公益法人って何?っていう状態なので、とりあえず2-3章の内容をまとめてみます。

公益法人の定義

民法第三四条に則って設立された社団法人または財団法人


祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為ス事ヲ得

  1. 「公益」目的→「積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的」としなければならないことになっている。
  2. 「非営利」目的→「上がった利益を構成員で分け合う」目的でないこと。
    • 収益字体は問題ない。公益に回せばOK。
  3. 主務官庁の許可 & 民法六七条

2008年12月1日以降は、公益法人認定法により公益性の認定を受けた法人であり、公益社団法人と公益財団法人を合わせた総称

社団と財団

社団
  • 「メンバー組織」(p.26)
  • 「志を同じくする会員(社員)によって構成・運営されている組織」(p.26)
  • 「経営者である理事会に対して、株式会社の株主総会にあたる社員総会という機関があ」る(p.19)
財団
  • 「一定のまとまったオカネがまずあって、そのオカネに法人格が与えられていると考える。」(p.26)
    • 「その運用利息で運営」(p.26) ← ノーベル賞みたいなもんか。
  • 「制度としてチェック機関が存在しない。」(p.19)

本には記載がありませんでしたが、宗教法人なんかも公益法人の一種みたいです。
この辺全部そう?→公益法人等 - Wikipedia

現在は、公益法人制度改革によって、公益を目的としない一般財団法人一般社団法人も作れるようになったらしい。

活動内容

基本公益なので、政府の役割を民間で代行するような感じ(小さな政府的?)
→政府が強い国では抑圧されるらしい(pp.32-3)

  • 保健衛生・医療(全体の1/5)
  • その他多種多様

規模

  • 1996年時点で、約2,7000(p.35)
    • 中央庁の許可が1/4、地方官庁の許可が3/4。
  • 規模は20兆円超(p.38)
    • 年間活動規模が3000万円以下が1/3(p.38)
    • 資金源の約50%弱が事業収入に依存。1/4が事業の受託収入(p.39)
    • 大型公益法人の実態は不明

税制上の優遇措置

  • 非営利→所得がない
    • 普通に収入(利子とか)に課税してしまうとやってけない。


こうした組織に課税するかどうか、というのは、民間の非営利の活動の意義を認めるかどうか、ということに等しい。

似たような組織

NPONGO
  • 民間の非営利・非政府組織
    • 非政府=組織として政府から独立している、という意味に過ぎず、政府のオカネ(つまり税金)を使わない、という意味ではない
    • 非営利・非政府のどっちに重点をおくかでNPONGOかが決まる。
  • お役所の設立許可が取れなくても良い
  • 公益目的でなくても良い
  • 法人格がなくても良い
ボランティア
  • 「任意の」「自発的な」
  • 公益法人の活動分野の一つ?(ボランティアのサポート)
  • 公益法人にとってボランティア「精神」は必須の条件。常識的に考えて。
特殊法人
  • その法人を作るためにわざわざ法律ができ、しかもその法律によって作られる法人の数が限られているようなものをいう(p.48)
  • 「官」の組織
認可法人
指定法人
  • 公益法人の中で、お役所から特別の法令などによって「指定」や「推薦」を受けて、特にある行政事務を委任されるもの
生みの親=基金
  1. 個人出資
    • 累進所得税率が高いので、税金を払った残りでまとまった額を出すのは不可能に近い。(p.52)
      • 複数人ならどうなんだろう?
  2. 企業出資
    • CSRとか
    • 企業寄附についてはかなり寛大に損金控除が認められる。
  3. 政府(税金)出資
    • それって外郭団体じゃね?
    • ドイツマーシャル基金
育ての親=収入
  • 会費やワン・ショットの寄附が多い
    1. 出す側の理由
      • 「貧者の一灯」で良い。かなり気楽
      • 基金だと使途が不明瞭(運用利益なので)
    2. 貰う側
      • 一過性のものなので、依存しすぎると収入が不安定になる。
        • 基金や事業収入の方が良い。
  • 行政による民間サービス提供の買い上げの場合は、事業収入として安定。